ボェ~~~~
ほろ酔いの俺の親父が、空いたビール瓶に口を近づけ、微妙な唇の形で息を吹きかけ鳴らす音。
「ボェ~~~~」
あの、中低い、実家の居間にあるサイドボードのガラス戸がびりびり共鳴する音。
なんとなく、あの親父の唇の形のとおりに今息を吹きかけている。ソルマック胃腸液の瓶に。
角度が大事だ、角度が。あともう少し、もう少しで何かがつかめる気がする。
「……ュヒョェ~~~~」
出た、音が出た。そうしてあの音を思い出した。
瓶ビールで試してみたいと思った。だが瓶ビールはなかなか買わないのだ。
しばらく経ってからもう一度鳴らしてみようと思ったがもう鳴らせなかった。
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