無題
「あー。そりゃ、少しは反省してるよ。確かに、俺に信仰心があんまりねぇって言うのはそうだけど、俺は子供ん時から親父から聞かされてたんだ」
「うん」
「めるへん様の存在についてね。君が、たぶん神様とか仏様とか聞かされてたときに。だから、本当にいるかどうかは置いといて、信じてるのは確かだよ。でも、それは皆や俺にとって意味のないもんだとも思う。俺は本当は、エセ宗教家のあとを継ごうなんて思っちゃいない」
「うん」
「俺な、さっき、あのさぁ。オバさんが君にひざまずくのを見たろ」
「見た」
「誰にも指図されてないのに、自然にひざまずいてた。そん時な、怖かった~ほんと。ステージを飛び降りて逃げ出ちまおうと思った」
「でもさ、アレはまずかったよ」
「あぁ。まいったなー」
「あれでね、完全に『はいっちゃった』んだよ、オバサンね、あの蹴りは指導だと思ったんだって。修行が上手くいかない自分に対するありがたい叱責だって」
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