無題
「そうか。もうそんなに時間が経ったんだね」
「だな」
「せめて、最後を看取らせてくれないかな」
「悪いがそれは流儀に反する」
「だって、そんなの寂しすぎるよ。明日になればもう君はいないなんて」
「この日のためにふかふかのベッドをこしらえたんだ。これで地面の石ころを気にせず眠ることができる。だから心配するな」
「ねぇ、自分の死期を知るってどんな気分なの」
「…あぁ、もう行かなきゃならない。さようなら。楽しかったよ」
「さようなら。さようなら。ネコくん…そうだ、君の名前は」
「名前?そんなものありはしないよ。君が自由に名づけるといい」
「わかった」
「うん」
「ブチ、君を忘れないよ。今までありがとう」
「ニャー」
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