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2007.05.26

さようなら、せんたくき

Washingmachine

『本当に、出て行かなきゃならないのかい』

「うん。もう明日、新しいせんたくきが来るからね」

『そうだねぇ、……仕方ないねぇ』

「ああ。悪いんだけど」

『ふふふ。なんだか、まだ信じられないよ。あたしゃ、あと10年は生きて、あんたの未来のお嫁さんにまだまだ使ってもらうつもりだったんだ』

「うん、悪いけど明日、早いからさ」

『初めて会ったのはいつだったか。そうだねぇ。今から13年も前になるかね、あんたが二十歳の時だった。可愛い顔してさ、眼をきらきらさせてさ、あのとき、嬉しそうに私を指差したんだ。”これだ、これが一番いい!“、つてね』

「そういう話はやめてくれ。君は故障したんだ。仕方ないじゃないか」

『そんなもの、中の芯がちょっとゆがんでるだけさね!他はピンピンしてるよ!きれいなもんさ!』

「……」

『ね、ねお願いだよ、後生だから、もういちど修理して、使ってくれないかねぇ』

「もう新しいせんたくきを買っちゃったんだ、今更どうしようもないよ。さあ、いいからもう行ってくれないか?」

『……そうかい』

「ああ、悪いけど」

『ね、体に気をつけなよ、下着は毎日替えるんだよ、それにいつまでも一人でいるのは良くないよ、早くいい人を見つけて結婚するんだよ』

「ちっ、いいからもう早く行けよ!ぐだぐだうるせぇんだよボロ洗濯機が」

『……』

「早くいけっつってんだろ!」

『わ、わかったよ、……じゃあ、もう行くよ。元気で、元気でね。さようなら』

「ああ」

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コメント

上の写真に下の絵をはめ込むと・・・・elmerさん、極悪非道ですね。

ちちちょっと下の絵の人はオバチャンじゃなくて若い女の子のつもりですよ。

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