無題
マンガ喫茶でハチワンダイバーの最新刊を読んでいたら、日本語に慣れてない感じのアジア男性に肩をたたかれた。
「すぃーません、あのー、タバコの、タバコのカード、もってますか」
残念ながら僕はタスポカードは(宗教上の理由で)持っていないのだ。
あ、タスポですか?いやー僕持ってないんですよ。すいません、とタバコを片手に言ったら、彼はすごく残念そうに眉を下げて「そうでぃすかぁ・・・」といった。
その表情はとても純粋で悲哀に満ち、こういうときに日本人がよくやる、「あ、そうスか、すんません」と無表情でエアーチョップをするような仕草はしなかった。
ああやっぱり同じような顔をしていても国民性はでるんだなと思った。
このマンガ喫茶は途中退店禁止の店だから、外に出てタバコを買いに出る訳にもいかない。
僕はよっぽど自分のタバコを差し出そうかと思ったが、あと2本しか残っていなかったので今後のことを考えて声を掛けなかった。
彼は僕の周りをウロウロしたのち、すこし離れたところへいた別の人に同じことを聞いた。そして先ほどのように「そうでぃすかぁ」とものすごく残念そうな表情を作り、本棚の奥へ消えていった。
« あけましておめでとう | トップページ | そして無題 »
この記事へのコメントは終了しました。
コメント